◎ 冬の山小屋での … 怪談 or 美談 ?

(作品No.番外)…いつもの ショートショート とは、一味違いますのでかなり標高がある 冬の雪山で、4名の大学生登山パーティーが 立ち往生していた。山の天気は変わりやすい。異変を感じたベテランパーティーが、早々に登頂をあきらめ 下山する中、リーダーの市瀬が、「もうじき雲の上に出るだろうから、きっと大丈夫さ。」と軽く考えてしまったのが原因だ。市瀬は今回が 冬山初挑戦だったが、他の3人は登山自体がほとんど初めてだった。...

続きを読む

◎ 自作掌編小説「人間ドック革命 ~課長の場合~」

(作品No.018-B) 課長の奥さんは、人間ドック愛好家だ。と いっても、自らが受ける訳ではない。ドックを受けさせるのは もっぱら夫。もちろん、生命保険は がっぽりと掛けている。夫はもともと、 課長になれるような器ではなかった。平社員の頃は、 家に帰るとすぐに大酒を呑み、毎日、仕事の愚痴で しつこく絡んで来たので、どうやって離婚を申し出ようかと、いつも考えていた。ところが、酒を飲み過ぎて肝臓を悪くした夫が、最...

続きを読む

◎ 自作掌編小説「人間ドック革命 ~部下の場合~」

(作品No.018-A)ドックと言えば犬?いえいえ、それはドッグ (dog)「ドック (doc)」とは、水から上げた船の検査場のこと。1番ドック、2番ドック・・とかいう、アレだ。船はドックに入ると、いくつもの部品に分解され、徹底的な検査を受ける。 破損などが見つかった箇所は 修理され、修理が不可能な場合は 部品ごと「交換」されて、最後に、元通りに組み立てられる。「人間ドック」とは、検査項目の多い「健康診断」の事。船舶の...

続きを読む

◎ 明けない夜はない Episord 5 ~ 降格からの再起

Episord 1  Episord 2  Episord 3  Episord 4 窓のカーテンの切れ間から 朝の光が差し込み、チュンチュンと 小鳥のさえずる声が 聞こえる・・。いわゆる「朝チュン」だ。やむをえない。小説投稿サイト「ノベラボ」は、官能小説を認めていないのだ。期待外れと お怒りの方は 2015/01/06の小説 を読んで欲しい。お望みに違わず、恥ずかしくなるほどエロエロだ。しかし、直前の記事から キーワードを拾う必要がある。お忙しい方に...

続きを読む

◎ 明けない夜はない Episord 4 ~ もう、何も言うまい

Episord 1  Episord 2  Episord 3 里奈は泣き疲れて、そのまま スヤスヤと眠ってしまった。冴羽の意識が 完全に戻る前に、瀧岡は 意図的に嘘を含んだ説明をした。「竜爪山の仙人から『手当て』を伝授してもらったよ。あの技は、10年単位でないと使えないって話だ。母ちゃんにもらった寿命は、そっくりそのまま返したからな。」冴羽は、ぼんやりとしたままで答えた。「ああ・・ありがとう・・それで、まだ 生きているんだな。教え...

続きを読む

◎ 明けない夜はない ~Episord 3~ それぞれの愛

※ Episord 1 はコチラ ※※ Episord 2 はコチラ ※竜爪山の地図を見ながら 瀧岡が選んだ道は、その流れが分からない程の ぬかるんだ川だった。タイヤの半分まで泥に浸かり、大岩や倒木をよけながら、なんとか 昼には、川の起点にまで 辿り着く事が出来た。山頂までは あとほんの少しだが、ここからは バイクを降りて歩くしかない・・。そこは、岩と岩の間から、きれいな水が湧き出し、ちょうど 昼食を摂るのに良い広さの場所だった。...

続きを読む

明けない夜はない~Episord 2~アジアンスィーツ軍団の逆襲

※ Episord 1 はコチラ ※瀧岡は、冴羽の入院する病室に急行した。それは、彼の母親が入院していた病院であり、奇しくも 全く同じ個室だった。瀧岡がドアを開けると、冴羽は日当たりの良いベッドの上から、窓の向こうに広がる海をぼんやりと眺めていた。「おいっ! 先生っ!」瀧岡が呼びかけると、冴羽は振り向き、ヘロヘロとした口調で「よおっ! 瀧岡・・。」と 答えた。「よおっ! じゃねーだろぉ!俺の母ちゃんにくれたのは、あ...

続きを読む

◎ 自作小説 ~ 明けない夜はない

(作品No.017) 「そう、どんなに長い夜でも、明けない夜は無いんだ!大事なのは、自分自身を信じること。それから、どんな小さな事でもいい。何か不安なことがあったら、すぐに俺に相談してくれっ!」冴羽は中学校の教員。この時間は、各クラスで一斉に「自殺およびイジメ防止の指導」を行っている。彼がこの言葉で授業を終ろうとした時、担任している一人の男子生徒が手を挙げた。「おっ!何だ? 瀧岡?」「先生、月の裏側は見...

続きを読む

◎ 自作小説 ~ 国民短命化計画

(作品No.016) 国民福祉省の事務次官 岐冷野(キレノ)は、大臣に呼び出され、こう言われた。「岐冷野君、恒常的に支出が収入を大きく上回っているが、 この状況は 一体いつになったら解消するんだね?」岐冷野はムッとしながら 大臣にこう答えた。「既に年金の開始時期を先送りし、先日『共通ナンバー』で 徴収漏れを防いだばかりです。料率も毎年引き上げてますし、 これ以上若い世代から搾り取ろうとするのはムリですよ。...

続きを読む

◎ 自作小説 ~ 国盗りジャンケン

(作品No.015) 202☓年、東方国と西欧国の国境線上、つまり 太平洋のど真ん中に、突然 島が浮上した。両国が この島の領有権を主張し、メディアも自国寄りの報道のみを繰り返したため、日に日に 国民感情はエスカレートし、まさに、二国間は「一触即発」の緊張状態になっていた。この事態を解消すべく、ハワイ島にて東方国の首相 楊 貴太郎(よう きたろう)と、西欧国の大統領 シュワルツ・ベネガーとの、トップ会談が行わ...

続きを読む

◎ 時代劇風小説 ~ 聖剣伝説 ~

(作品No. 番外) 時代劇風 創作文学トーナメント 参加作品季道が朝廷の門を潜ると、頭上から雨の様に矢が降リ注いだ。しかし、目を赤く血走らせ 燃える様に髪を逆立てた彼の皮膚は、赤く染まった甲殻の様に固く、全ての矢を弾き落とした。目の前には五百を超える軍勢が居る。一人一人相手にしたら埒が明かない。農民兵も混じっている。「ちっ・・使いたくない技だが、已むを得ん。」季道が両手に全神経を集中させると、剣が朱く燃...

続きを読む

◎ 夢の賞味期限 ~ parallel world ~

(作品No.014-3 3部作の第3話です。)   → 第1話へ見斗が目を覚ますと、トウモロコシの芯が6本転がっていた。どうやら、眠ってしまっていたようだ。気が付くと、腰からお腹に タオルケットが掛かっていた。見斗は冷房に弱く、寝冷えで すぐにお腹を壊すのだ。「ん、まさか・・。」彼は、辺りを見回しながら、大事な人の名前を呼んでみた。「涼子・・。 涼子じゃないよな・・?」淋しい声が、部屋に響くだけだった。たぶん、...

続きを読む

◎ 夢の賞味期限 ~ another side ~

(作品No.014-2 3部作の第2話です。)  → 第1話へ 見斗が玄関を出ると、すぐそばに 2軒の屋台があった。そこでは、人生の全てを見て来たかのような お爺さんが、トウモロコシを 一本一本ていねいに焼いていた。ぎっしりと詰まった黄金色の粒に、醤油ダレを塗るたびに、刷毛から落ちた滴が、炭火の上で ジュワーッという音をたて、香ばしい匂いを辺り一帯に 漂わせていた。見斗は、7本のとうもろこしを買うと、すぐに家に持...

続きを読む

◎ 自作小説 ~ 夢の賞味期限

(作品No.014-1 3部作の第1話です。)数十年前の4月、見斗(みると)は、地元の普通高校に入学した。所属クラスでは、自己紹介を兼ねて、自由にスピーチしてよい時間が、各人に1分間ずつ与えられた。農村出身の見斗は、爽やかに こうスピーチした。「僕には、3つの夢があります。まず、一番大きな夢は、将来 ミュージシャンになる事です。次に、中ぐらいの夢は、自分でお金が稼げるようになったら、お腹を極限まで減らして、...

続きを読む

◎ 自作短編小説 ~ 先祖返り

(作品No.013)ピンクの花びらを、クリーミーな黄色で縁どったチューリップ。今年だけで終わらせてしまうのは、もったいないですよね。花が終ったら、球根にして 取って置きましょう。でも、来年 植える時には、土壌の質に気をつけて下さい。単色のチューリップだけが生えてくる場合があります。園芸の世界でいう「先祖返り」ですね・・。-------------------とても爽やかな5月の朝、出勤の支度をしていた年雄...

続きを読む

◎ 自作短編小説 ~ どんよりとした海

(作品No.012)あんたは、「天国」って言葉から、どんなところを想像するかい?はるか上空にある、明るい光りに満ちた花々が咲き乱れて、全てがふわっとした天使たちの音楽が聞こえてくる、暖かくて 優しい世界?なるほど。さて、その反対語を 並べてみようか?底のまた底にある、一束の光りも届かないプランクトンすら生息しない、重圧で押しつぶされそうな音の無い 極寒の 淋しい世界。そう、それが「深海」だ。どうだ、俺達とい...

続きを読む

◎ 「鬼退治 」 【ちょっとだけ R指定】

(作品No.011)昔は、あちこちに「鬼伝説」があったが、今では、殆んど 聞かなくなった。防犯カメラやGPSなどが普及し、鬼も 住みにくくなったのだろうか?-------------------とある山奥で、若い女性が 年に1人ずつ行方不明になっていた。毎年6月になると、この事件が起こり、村人たちは「鬼神様のしわざでは?」と噂をしていた。実は、この村では、川の上流にある鬼神様の「ほこら」に、生娘を奉納する...

続きを読む